ハンター達にインタビュー

ゴンキルアクラピカレオリオ???(アダルトリオの一人)
※ 相手選択で飛びます。


▼ ゴン

ドアのノックが数回した後、は緊張しながらドアを開けた。

「こんにちは、ゴン君」
「こんにちは! 今日はよろしくお願いしまーす!」
「こちらこそよろしくお願いします。どうぞ、入って」
「うん! ありがとう! えーっと……」
「ハンター新聞編集部のよ。はい、こちら名刺ね
」 「でも、オレなんかで本当に良かったの?」
「ん? どうして?」
「だって、オレまだハンターライセンス貰って間もないし……あんまり面白い話、話せないかも」
「これからハンターラインセンスの取得を目指す人達の背中を押すための企画だからゴン君の素直な気持ちを話してくれればそれで良いよ」
「ふーん……そっか! なら何でも聞いて!」

*****

「えっと、僕はゴン=フリークスです! くらじ島出身で歳は12歳! ハンター試験を受けたのは……11歳の時だったはず!」
「ず、随分若い時に受けたのね」
「そうかな? その時同い年のキルアも居たよ」
「キルア?」
「うん! オレのさいっこーの友達なんだ」
「是非キルア君のお話も聞きたいな」
「いいよ! キルアってスゲーんだ! オレなんかよりもいろーんなんこと知ってて、力も凄い!」
「とっても仲良いのね」
「うん! それでね、第一試験の時なんてね!」

*****

「あら、もうこんな時間。ごめんね、色々聞いちゃって」
「ううん! オレはすっごく楽しかった!」
「そう言ってもらえて嬉しいわ。次はキルア君からも話を聞いてみるね?」
「うん。お姉さんも絶対仲良くなれるからさ!」
「そうだと良いな」
「あと……コレ」

ゴンは鞄の中をゴソゴソと漁り始めると一輪の花を出した。

「え?」
「アヤメって言うんだ。ここに来る前に見つけたから、お姉さんにあげる」
「アヤメ……どうもありがとう」
「くじら島に行くことがあれば教えてね! いろんなところ紹介してあげるからさ! じゃ、またね!」

手を振って帰る元気な男の子を見送る。
数本のアヤメが束になった小さな花束。
花言葉を知ってて持ってきたのか、はたまた偶然か。
綺麗に咲く花に笑みを零しながらは静かにドアを閉めた。

▼ キルア

2回程ノックがした後、は静かにドアを開けた。

「どうも。アンタがハンター新聞の?」
「こ、こんにちは。そうよ。私がです。えーっと……」
「オレはキルア。ゴンからの紹介で来ただけだからちゃっちゃと済ませようぜ」
「……来てくれてありがとう。こちら、名刺ね」
「別にいらねーけど、一応貰っとくよ」
「え、えぇ。では今日はよろしく」
「よろしくー」

*****

「ゴン君からは色々聞いてるけど、キルア君も11歳の時にハンター試験を受けたの?」
「そう。案外拍子抜けっつーか余裕だった」
「そうなのね。でも、ライセンスを貰ったのは翌年みたいだけど……」
「……ちょっと色々あっただけだから」

キルアの表情が一瞬暗くなり、は胸の心中を察した。

「そ、そうなのね! えっと、キルア君はあの有名な」
「ゾルディック家。暗殺一家のね」
「も、もしかして今も本業をやってたり……とか」
「引退したから今はしてない。それとも何? 見たい?」
「だ、大丈夫です! 活躍はよーく存じてますので!」
「あっそ」

*****

「きょ、今日は貴重な話を色々聞かせてくれてありがとう」
「対したこと話してないけど?」
「それでもハンターさんとこうして話せるのはなかなかないからね」
「ふーん。念使えるのに?」
「え……」

キルアの言葉には表情を若干引きつらせた。
噂には聞いていたがキルアの隙の無さに子供だからと言って侮ってはいけないと思い知らされた。

「隠してたみたいだけど丸見えだから。殺し屋の話した時、右と左と後ろに念人形出したでしょ」
「……気がついてたの?」
「これでも一応裏ハンター試験は合格してるからさ」
「……ゴン君は気がつかなかったんだけどな」
「ねぇ。次のインタビューって誰にすんの? 予定見せてよ」
「あんまり話しちゃいけないけど……今後のスケジュールは……これかな」
「ゲッ。よりによって……コイツ……人選最悪じゃん。これ選んだの誰?」
「えっと、私……だけど」
「はぁ……見る目があるんだか無いんだかわっかんねーけど、ま、死なないよう気をつけなよ」
「え!? ちょ、ちょっとキルア君!」

憐れみな表情を浮かべながらキルアはの腕を軽く叩き、去っていった。
そんなに危険な人物がリストにいるのか、と不安に思いながら予定表を見つめた。

▼ クラピカ

控えめに4回のノックがした後、「失礼します」という礼儀正しい声と共に今回の取材相手が現れた。

「遅れてしまいすまない。私はクラピカだ。君が……で合っているだろうか」
「はい。記者のです。オンタイムなので大丈夫ですよ」
「いや、本来なら5分前に到着する予定だったんだが、道が渋滞してしまって」
「そ、そんなこと……あ! 立ち話も何ですしどうぞ入ってください」
「あぁ。失礼する」
「今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ」

*****

「なるほど。推薦元はゴンだったわけか」
「はい! 後レオリオさんのことも紹介いただいて……4人はハンター試験で知り合ったとか?」
「あぁ。最初は私とレオリオとゴンの3人で、途中からキルアが加わったんだ」
「それから4人は縁があるんですね」

ハンター試験は周りが全員ライバルで相手を蹴落としてでも受かりたい輩は多い中、しっかりと育まれた仲間の絆には頬を緩ませた。

「3人には色々と世話になった。私1人では困難だったことも、みんなのおかげで救われた場面は多い」
「なるほどなるほど。今はどんなハンターとしてお仕事を?」
「それは……申し訳ないが雇い主と守秘義務の契約があるため話すことはできないんだ」
「いえいえ、秘密があるのもハンターさん達の魅力ですので」
「理解があって助かる。仕事のこと以外であれば何でも話せるんだが……」
「では、そうですねぇ。ではハンターとして心がけていることとかは?」
「良い題材だと思う。そうだなぁ……」

*****

「おっと、すまない。そろそろ行く時間だ」
「話し込んですみませんでした」

腕時計を見ながら立ち上がったクラピカと同じようにも立ち上がった。

「遅れた私が悪いんだ。気にしないでくれ」
「遅れてなんか……オンタイムだったので私の配分ミスですよ」
「……キルアから聞いていた印象と少し違うな」
「え? キルア君……ですか?」

前回インタビューをしたキルアの名前を聞いては首を傾げた。

「あぁ。おどおどしてるのは見せかけてで結構力のある念使いだ、と」
「……しがない記者ですよ」
「能ある鷹は爪を隠す、と言ったところかな?」
「誇りあるクルタ族の方には負けますって」
「何か情報があればこれに連絡を。些細なことでも構わない」
「取材でわかることがあればすぐに連絡しますね」
「有意義な時間をありがとう。では」

これまで無邪気な少年、少し生意気な少年と続いていたためクラピカは落ち着きがあって好感が持てた。
しかし、クルタ族や緋の目の話になった時の饒舌ぶりには驚いた。
記者という立場上、何か情報が入ったら情報を伝えると言うことを約束し、ドアを閉めた。

▼ レオリオ

インタビュー開始時刻になってもノックはなく、不安になってきたは一度電話をかけてみることにした

「あ、もしもしレオリオさんですか? 私ハンター新聞の」
「あぁ! すまねぇ! 後5分で着くから待っててくれ!」
「わ、わかりました……お気をつけてお越しください」

そんなことで待つこと5分。
ドタドタと廊下を走る音が近づいてきたかと思えば勢いよくドアが開いた。

「遅くなって申し訳ねぇ!」
「す、凄い汗……! 今タオルお持ちしますね。座って待っててください」
「あぁ……本当に申し訳ない……」

*****

「レオリオさんは現在医大生なんですね」
「あぁ。今日もテストの徹夜明けでな……いやぁ起きたらヤベー時間で焦ったぜ」
「確か、ハンター試験を受けたきっかけは医大の授業料が免除になるとか?」
「あんな馬鹿高い金額俺には払えねぇし……不純だと思うか?」

ヘラヘラしていた表情が途端に真面目な表情へと変わる。

「いいえ。ハンターライセンス取得を目指す人の理由はそれぞれです。それこそ私の方が不純ですよ」
「アンタもライセンスを持ってんのか?」
「えぇ。周りからは宝の持ち腐れって言われますが……持っているだけで色々便利ですし」
「ほぉ……あんな理不尽な試験を……ってことは結構出来る口ってことだ」
「運が良かっただけですよ」
「ま、運も大事だよな。俺もラッキーで受かったようなもんだしな!」
「ではラッキー者同士で今日はよろしくお願いしますね」
「あぁ! 遅れた詫びだ! 何だって聞いてくれ」

*****

「これからまた勉強ですが?」
「まぁな。でも、夢のためなら苦じゃねぇから」
「レオリオさんに診てもらえる患者さんは幸せですね」
「第一号はかもしれねぇぜ」
「これまで風邪も引いたことない健康体ですよ?」
「本人が思っている以上に体は正直なもんさ。そうだ。ちょっと待ってな」
「はい?」

リオレオは持っていたカバンを広げ、その中から一つのビンを取り出した。

「ほらよ。」
「……なんですかこれは?」
「体の疲れや神経の疲れ、免疫力の回復と貧血対策としてのビタミン栄養剤だ」
「はぁ……」
「仕事に夢中になるのも良いけどよ、ちゃんと体を労わりな。未来の医者からの処方として受け取ってくれ」
「あ、ありがとう……ございます」
「今度会う時は目元の隈を化粧でカバーしてないで頼むぜ。じゃあな」

手元に残った錠剤が入ったビンと去っていくレオリオの背中を見つめながら苦笑いを浮かべた。
誰にも気づかれなかった部分を指摘されて、少し恥ずかしかった。
慣れない優しさを噛み締めながら錠剤を一つだけ飲み込んだ。

▼ ギタラクル(イルミ)

レオリオの取材を終えた後、編集部の宛に取材相手から一本の電話が入った。
予定していた時間に遅れるという連絡で、いつもふざけていて掴み所が無い印象だが”仕事”と言う事であれば真摯に対応してくれる相手には「大丈夫よ」と答えた。
予定地獄の10分後にドアが2回ノックされた。

「あ、はい! どうぞ……キャアッ! ビックリしたぁ……」

予定していた相手とは違う人物が入ってきたことには表情を引きつらせた。

「え、えっと……ヒソカ……は?」

ニヤニヤ笑いながらカタカタ揺れるだけの相手には溜息を吐きながら相手を室内に招き入れた。

*****

「失礼を承知でお聞きしますが……本当にギタラクルさんですか?」
「カタカタ」
「……道中でロンゲの長身黒目ぐりぐり男と会いませんでした?」
「カタカタカタ」
「……いい加減悪ふざけはやめて。私がわからないとでも思ってるの?」
「カタカタカタ!」

ギタラクルは顔に刺さっていた針を一本抜いたあと、どんどんとそれを抜いた。
骨格が変わり、モヒカンだった髪の毛はグングン伸び、長い黒髪へと変わった。

「やぁ。会いたかったよ」
「何の悪ふざけ? ヒソカは?」
「悪ふざけ? オレはヒソカの代わりにインタビューを受けに来たんだよ。ヒソカから聞いてないの?」
「ヒソカからは時間に遅れるとしか聞いてないけど」
「うん。ヒソカの代わりにオレが行くから遅れるってことね」
「聞いてない!!!」

*****

本来ならヒソカのインタビューを行うはずだったが、イルミが来てしまった以上仕方ないと割り切りは取材用のノートを広げた。

「仕方ないからイルミに聞くけど……」
はこの部屋でインタビューしてるの?」
「そうだけど?」
「……にはオレの恋人って自覚、ちゃんとあるの?」

「は?」と覆わずの口から飛び出す。

「待って。私はいつからイルミの恋人になったわけ?」
「この前の仕事の時から」
「あれはターゲットのパーティーに潜入するための作戦でしょ?」
「そうなの? オレは本気だったんだけど。どうしよう。親父達にはが恋人って言っちゃったよ」
「えぇ!? やだ! やめてよ! 訂正しといてよ?!」
「良いじゃん別に。親父も喜んでたし。ハハハ」

結局その日はインタビューにならず、徹夜で仕上げた記事は架空の話で幕を閉じた。
新聞発売日に本人から「よく書けてるじゃん」とメールをもらった時は握りしめる携帯に力が入った。


2020.02.05 UP
2021.08.18 加筆修正